エレベーターに一時閉じ込め 中津駅、昨秋から6回目


 16日午後0時5分ごろ、大分県中津市のJR中津駅で、3階のホームと2階を結ぶ斜行型エレベーターが途中で止まり、60代の女性客が閉じ込められるトラブルがあった。女性は約30分後に救出され、けがはなかった。
JR九州大分支社が同日発表した。昨年9月の設置後、過去5回、乗客が閉じ込められるなどの故障があったという。

 同支社によると、故障したエレベーターは長さ約20メートルの斜行型(定員9人)で、階段横に設置している。女性1人が3階から乗り、数メートル下ったところで停止。エレベーターの異常を知らせるブザーなどで駅員が駆けつけ、約30分後に業者がドアを開けた。駅員らが階段から、
ガラス張りの同機の横で中の女性を励ましたという。

 過去5回の故障では、計6人の乗客が3~12分間閉じ込められた。
11月末の定期点検で異常はなかったが、12月12日にも同様の閉じ込め故障があり、部品を交換したばかりだったという。中津駅は今回の原因が判明するまで同機の使用を中止する。

(asahi.comより)

 私は中国のアパートで2度エレベータに閉じ込められたことがある。
しかしこのニュースは中国ではなく日本だ。15ヶ月の間に6度も同じような事故があるというのは、根本的な問題が未解決のままだということだろう。しかも定期点検後2週間で事故が発生している。点検方法にも問題があると考えた方がよさそうだ。

事故が発生した時は当然事故に対する処置は行われる。そして問題点の修復も行われたであろう。しかし再発防止が行われなかったのではなかろうか。

これは工場で生産した製品がお客様で不具合を起こしたときと同じだ。
以下の不具合に対する処置が必要だ。

  • 現品処置
     不具合発生現品に対して問題を収束させる。
  • 不具合の修復
     不良品を修理または交換し修復する。場合によっては問題が拡大しない様に同一ロット品に対し処置を行う。
  • 再発防止
     不具合の発生原因を突き止め、不具合が再発しないように対策を実施する。
  • 水平展開
     他機種でも同じ問題が発生する可能性があるか調査し、未然防止対策を実施する。

これらの一連の処置が終わって初めて不具合対応が収束する。

JRはこれらの処置をエレベータメーカに対してきちんと要求しなければならない。ただエレベータの保守要員が来てエレベータの中から人を救助しただけでは、上記の現品処置が行われただけだ。


このコラムは、2009年12月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第131号に掲載した記事に加筆しました。

当時エレベータに閉じ込められたのは2回だけでしたが、その後何度も閉じ込められ閉じ込められた回数をカウントするのをやめました(笑)

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